ブックタイトル日本結晶学会誌Vol59No1

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概要

日本結晶学会誌Vol59No1

特集SACLA日本結晶学会誌59,1(2017)特集「SACLA」にあたって特集号担当:五十嵐教之,杉山和正,馬場清喜,矢橋牧名,森茂生Noriyuki IGARASHI, Kazumasa SUGIYAMA, Seiki BABA, Makina YABASHI andShigeo MORI: SACLA本年度の特集は,「SACLA」です.実は編集委員会でSACLA特集の話が出たのは,今から5年近く前の2012年のことでした.2012年3月から日本で初めてのXFEL施設,SACLAが供用開始されたことを受けて,ほとんどの人は経験したことない最先端のX線ビームの能力をぜひ知ってもらいたい,特に結晶学会にはポテンシャルユーザーが多いので結晶学会誌の特集号でお願いしたいということで,SACLAの施設側関係者に打診をしたのが始まりです.当時は,どんな光が使えるのかを知りたいということでお願いしたのですが,ユーザーに実感して貰うためには実際の解析例がないと難しいだろうということで,しばらく待つことになりました.その後は状況を確認しながらタイミングを見計り,今号での実現となったわけですが,この間XFELの汎用利用に向けてSACLA関係者の多大なるご苦労がありました.やはり未知のビームということで,利用側でも経験してみて初めてわかることもたくさんあり,さまざまな開発項目が必要でした.それを丁寧に解決してきて今の汎用利用が実現できているわけですが,その努力の一端が今号の特集記事でも紹介されています.まだ完成形ではなく,今後も開発が進み,シンクロトロン放射光をはじめ他手法では実現できない実験が次々にできるようになってくるのではないかと期待しています.実際,稼働中のXFEL施設(LCLS,SACLA)に加えて,近々ドイツやスイス,韓国でも稼働予定となっており,今後XFELの利用が大々的に広がり,本当の意味での新しい時代が切り開かれていくものと思われます.皆さんも今号で紹介されている実験例(あくまでも一部ですが)からどのようなビームか,シンクロトロン放射光とはまったく別の種類のビームであることを少しでも実感することができるのではないかと思います.これから自分でもやってみたいとか,こんなこともできるのではないかとか考えていただけるきっかけになればと思います.最後に,本特集号において記事執筆をいただいた先生方に厚くお礼を申し上げます.日本結晶学会誌第59巻第1号(2017)1