ブックタイトル日本結晶学会誌Vol58No1

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概要

日本結晶学会誌Vol58No1

60日本結晶学会編集委員会編集委員長 杉 山 和 正副委員長 植 草 秀 裕 寺 内 正 己 宮 原 郁 子幹  事 五十嵐 教 之 大 胡 惠 樹 尾 関 智 二 木 村 正 雄 後 藤 義 人 佐賀山   基 田 中 信 忠 森   茂 生委  員 阿 部   洋 稲 葉 克 彦 大 原 高 志 奥 部 真 樹 小 澤 芳 樹 木 村 宏 之 栗 栖 源 嗣 齋 藤   晃 関 根 あき子 田 中 良 和 玉 田 太 郎 藤 間 祥 子 中 塚 晃 彦 長谷川 和 也 森 吉 千佳子 門 馬 綱 一 安 田 伸 広 和 田   啓編集室 鈴 木   衛 若 林 千賀子編集後記複写される方へ本誌に掲載された著作物を複写したい方は,社団法人日本複写権センターと包括複写許諾契約を締結されている企業の従業員以外は,図書館も著作権者から複写権等の行使の委託を受けている次の団体から許諾を受けて下さい.著作物の転載・翻訳のような複写以外の許諾は,直接本会へご連絡下さい.〒107-0052 東京都港区赤坂9-6-41 乃木坂ビル 学術著作権協会TEL: 03-3475-5618 FAX: 03-3475-5619 E-mail: info@jaacc.jpアメリカ合衆国における複写については,次に連絡して下さい.Copyright Clearance Center, Inc.222 Rosewood Drive, Danvers, MA 01923 USAPhone: (978)750-8400 FAX: (978)750-4744制作・印刷 日本印刷株式会社最近,大学での研究において,外部資金の獲得が必須となり,純粋な基礎研究から現実問題の解決を目指した応用研究が求められるようになりました.外部資金の獲得という点で,産学連携による共同研究の推進が重要であり,大企業に加えて中小企業との共同研究を行うことが推奨されています.基礎研究は人類の知的資産を蓄積し,新しい自然認識を創造することを目指しますが,産学連携による共同研究は,企業のニーズに合わせた応用研究がメインであり,現在企業が抱えている問題の解明・解決という具体的な目的の達成度が求められます.基礎研究と応用研究の関係は,それぞれの研究の特質から基礎研究が先行し,その後に応用研究が発展すると考えていましたが,最近では,そうではないのではないかと考えるようになりました.歴史的な大発明には,基礎的学理を応用して技術を開発するのではなく,応用研究の中から基礎的学理が芽生えることが数多くあると思います.例えば,量子力学の始まりは,溶鉱炉内の温度を調べるために,光放射による温度の測定から始まっています.つまり,黒体輻射の研究から量子論が生まれ,量子力学に発展し,近代科学の発展を支える基礎学理が形成されたと言えます.また,ガリレイは望遠鏡を改良しましたが,彼は幾何光学を勉強して後,望遠鏡の改良をしたのではありません.また,私の専門分野である電子顕微鏡について考えてみると,ルスカによる電子顕微鏡の開発により,結像理論や電子回折理論が発展したと言えると思います.一見泥臭い実験研究を中心とした応用研究の中から,美しい基礎学理が生まれる例は少なくありません.一方,結晶学は先人が築いてきた膨大で地道な基礎研究に支えられて構築された学問だと思います.日本結晶学会誌が物質材料研究をはじめさまざまな分野の基礎を支える学会誌として,会員の皆様に役立てるような編集を心がけていきたいと思います.(森 茂生)日本結晶学会誌 Vol.58, No.1平成28 年2 月29 日発行 昭和41 年12 月22 日 第4 種郵便物認可編集人 杉山 和正(東北大学金属材料研究所)発行人 日本結晶学会〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター  TEL.(03)5389-6372 FAX.(03)3368-2822(編集室) 〒170-0013 東京都豊島区東池袋4-41-24 東池袋センタービル2F  TEL.(03)5911-8671 FAX.(03)3971-1214