ブックタイトル日本結晶学会誌Vol57No2

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概要

日本結晶学会誌Vol57No2

光合成反応中心と集光アンテナタンパク質との複合体(LH1-RC)の結晶構造図4T. tepidum由来LH1-RCの全体構造.(Overall structure of LH1-RC from T. tepidum.)(a)ペリプラズム側から見たLH1-RC複合体の構造.1個のαβヘテロ二量体のαサブユニットとβサブユニットにラベルを付した.(b)膜断面方向から見たLH1-RC複合体の構造.(c)Rps. palustris由来LH1-RCおよびR. sphaeroides由来LH1-RC二量体との比較.数字はαβヘテロ二量体につけられた番号を表す.また,WおよびXは,proteinWおよびPufXをそれぞれ示す.図5T. tepidum由来LH1-RCの補因子.(Cofactors inLH1-RC from T. tepidum.)(a)補因子の配置.(b)LH1リングにおけるBChl近傍の相互作用の様子.回折データを測定し,異常散乱差フーリエマップを計算することにより,金属がカルシウムであることを確認した.LH1リングに存在する16カ所のカルシウム結合部位において,カルシウムイオンはα-Asp49とα-Asn50の側鎖,α-Trp46の主鎖のカルボニル基,および隣接したαβヘテロ二量体のβ-Leu46のC末端カルボキシル基に配位していた.α-Asp49とα-Asn50はほかの紅色光合成細菌日本結晶学会誌第57巻第2号(2015)図6 LH1リングにおけるカルシウムイオン結合部位.(The calcium binding site in the LH1 ring.)波長2.70 AのX線で測定した回折データから計算した異常分散差フーリエマップを,3σレベルで表示した.では保存されておらず,カルシウム結合部位の存在はT.tepidumに特有である.このカルシウムイオンを介した107