ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No6

ページ
46/104

このページは 日本結晶学会誌Vol56No6 の電子ブックに掲載されている46ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

日本結晶学会誌Vol56No6

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

日本結晶学会誌Vol56No6

世界結晶年(IYCr2014)日本の取り組みサイエンスアゴラ2014出展企画「世界結晶年2014-折り紙や封筒で結晶模型を創ろう」東京工業大学大学院理工学研究科関根あき子Akiko SEKINE: International Year of Crystallography 2014 ? Let’s Make CrystalModels using Origami Papers or Envelops1.企画サイエンスアゴラ2014(主催JST)出展:「世界結晶年2014-折り紙や封筒で結晶模型を創ろう」日時:2014年11月8日(土)~9日(日)10:00~17:00場所:日本科学未来館1階No.35ブース(東京お台場地区)主催:世界結晶年実行委員会共催:日本結晶学会協賛:日本結晶成長学会他35学会(企画:菅原洋子,足立伸一,関根あき子(責任者))2.概要2.1企画の経緯この企画は, IUCr2008大阪大会で展示・講習でご協力いただいたお茶大名誉教授の細矢治夫先生の折り紙のイベントが非常に評判が良かったので,今回も,世界結晶年の啓蒙活動の一環として,一般向けあるいは中学生・高校生向けイベントとして細矢先生にご協力をお願いしたい,というところから始まった.世界結晶年日本委員会副委員長の栗原和枝先生(東北大)が細矢治夫先生に内諾を取られて,日本委員会実行委員会副委員長の菅原先生(北里大),足立伸一先生(KEK)と私の3人で企画を進め,その企画の下で私が責任者として実行することになった.一般向けイベントとして,夏休みの上野の科学博物館のサイエンススクエアと11月のサイエンスアゴラ(JSTが主催する一般市民向けイベント)が候補に上がり,前者の方が夏休みに開催ということで集客が見込めそうであったのだがIUCrの日程と重なるため,後者を選択した.しかしながら,結果的にはこの選択が良く,細矢先生に依頼した後に知ったのだが,実は細矢先生は毎年このサイエンスアゴラに日本コンピュータ化学会として出展されていたため,申請の段階から細矢先生や同学会科学コミュニケーション企画室の本間善夫先生に種々のご経験をうかがうことができた.初めて出展応募するわれわれにはたいへん助かった. 8月のIUCr直前に公募出展企画の採択決定通知を受け取り,ほっとしてモントリオールに発つことができたのを覚えている.また,当日のブースの場所は,日本コンピュータ化学会と斜向かいのブースに設定してもらいことができ,お互いに協力することで一体となって盛り上げることができたのも本当に幸運であった.さらに,今年の日本コンピュータ化学会のサイエンスアゴラ出展は同学会の方から共催させてほしいと申し込まれ,世界結晶年実行委員会との共催としてイベントが行われた.2.2企画の趣旨企画内容は,中学生・高校生を主たる対象とし,世界結晶年にちなんだ「結晶と結晶学」についての若い世代への啓蒙活動の機会として有意義になるようにと以下のように企画した.(a)折り紙や封筒で結晶模型(正8面体スケルトン,立方8面体)をつくる実習を行い,これを用いて化学,数学的理解を深めることで,結晶に実感をもち,身近に感じてもらう.(b)身の周りに存在する結晶およびわれわれの最先端の生活を支えている結晶をメインとした実物の結晶(鉱物,無機物,有機物,タンパク質)の展示と結晶学紹介のポスター展示を行う.(c)DNAの針金モデルを使った光の回折実験などを来場者が参加する形で行い,なぜ結晶内の原子や分子の配置を知ることができるのかを知ってもらう.会場ブースの半分に(a)の細矢先生による折り紙実習コーナーを設けこれをメインとし,もう半分のスペースにわれわれ結晶学会のスタッフが担当する(b),(c)の結晶展示コーナーを設置することとした.2.3当日の様子折り紙コーナーについては,細矢先生と日本コンピュータ化学会所属の学生さん(ボランティア)が担当され,結晶コーナーについては,展示の準備から当日のスタッフまで,菅原先生,足立先生,奥部真樹先生(東工大),清谷多美子先生(昭和薬大),山村滋典先生(北里大)と私の5名で担当した.(a)の折り紙実習については,全面的に細矢先生にお任せしたが,常時,人でいっぱいで大盛況であった.保護者よりも先に小学生の子ども達が折り紙に吸い寄せられるように訪れていたり,中高生や大人も興味をもって参加していただいたりで,子どもを中心としながらも子どもから大人まで全世代に人気があって大成功であった.事前情報の推定人数をはるかに上回り, 2日間で1000人を超えるブースへの想定外の来場者数に嬉しい半面,熱心にご指導くださる細矢先生には休まれる暇もなく,たいへん申し訳ない限りであった.(b)の結晶展示コーナーにつ382日本結晶学会誌第56巻第6号(2014)