ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No6

ページ
20/104

このページは 日本結晶学会誌Vol56No6 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

日本結晶学会誌Vol56No6

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

日本結晶学会誌Vol56No6

特集:世界結晶年(IYCr2014)日本の取り組み日本結晶学会誌56,356-386(2014)世界結晶年:出版活動を中心にして北里大学理学部菅原洋子Yoko SUGAWARA: International Year of Crystallography: Activities on Publication1.はじめにこの1年は, IYCr2014とリンクして,記念講演会,各学会における特別企画,国際活動など,さまざまな観点からの企画が行われています.本稿では,実行委員会に参画し,世界結晶年の活動にかかわらせていただいた立場から,出版関連を中心に,この1年間を通じて展開してきた世界結晶年(IYCr2014)の活動を振り返ってみたいと思います.2.結晶学会としての活動IYCr2014の活動の多くは,日本結晶学会員がこれを担っていますが,日本結晶学会が主催の企画としては, 2014年11月の記念シンポジウム(坂田著;別稿参照)とともに「日本の結晶学(II)―その輝かしい発展―」の刊行が挙げられます.1989年に「日本の結晶学―その歴史的展望―」が刊行され,四半世紀が経ち,その間に,結晶学は新たな展開をみせました.世界の結晶学の流れの中で,その後,日本の結晶学が遂げてきた大きな発展を記録するため「日本の結晶学」の続編の編集が提案されました.その企画が煉られている中に, 2014年が世界結晶年に制定されるというすばらしいタイミングとなりました.竹中章郎会員を編集Crystallography in Japan(II)Crystallographic Society of JapanCommemoration ofInternational Year of Crystallography 2014「日本の結晶学(II)―その輝かしい発展―」DVD版と内表紙(英語面)委員長とする編集委員会が発足し,世界結晶年(IYCr2014)記念事業として,この本を上梓することになりました.企画は膨らみ, 200人を超える日本結晶学会会員の方々に結晶学にかかわる御自身の研究分野の発展について,また,日本結晶学会の国内外に歩みについてご執筆いただきました.関連学会長からのメッセージもいただき, 500頁を超える「日本の結晶学(II)―その輝かしい発展―」が2014年7月に完成し, DVD版として日本結晶学会誌に添付の形で日本結晶学会の全会員に配布されました.引き続き刊行小委員会により印刷版が作られ, 10月に販売の運びとなりました.3.関連学会における活動結晶学の手法とその成果は,幅広い分野で活用されています.これは世界結晶年の活動へ32学協会からの賛同をいただいたことに如実に表れています.そして,各学会で活躍しておられる関係の先生方に実行委員に加わっていただき(栗原著;別項付録(名簿)世界結晶年2014日本委員会実行委員会参照),世界結晶年企画をお願いしました.本号に報告のある各学会の年会などの機会をとらえた講演会,シンポジウム企画とともに,本誌(日本結晶学会)をはじめとして,化学と工業(日本化学会),高分子,高分子論文集(高分子学会),放射光(日本放射光学会),波紋(日本中性子科学会)など,各学会員に配布される学会誌についても,多くの特集号,特集記事が組まれました.ご協力に厚く御礼申し上げます.4.一般へ向けた広報活動世界結晶年の幕開けとして2014年1月23日に日本学術会議講堂で行われたオープニングシンポジウムでは,物理学(秋光純青学大教授),化学(入江正浩立教大特任教授),結晶成長学(佐崎元北大院教授),地球惑星学(廣瀬敬東工大院教授),生物学(藤吉好則名大教授)という異なる分野の方々に講演をお願いしました(高田著;別項参照).どの講演も,他分野の方にわかりやすく,また,研究の成果とその魅力が伝わる内容で,結晶学の専門家から,大学生まで,そのおもしろさを感じていただけました.356日本結晶学会誌第56巻第6号(2014)