ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No5

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日本結晶学会誌Vol56No5

い特集:化学分野における結晶学-化学結晶学の“現ま在日本結晶学会誌56,295(2014)”を切り取る-化学分野における結晶学いま-化学結晶学の“現在”を切り取る-特集号担当:植草秀裕,大胡惠樹,尾関智二Hidehiro UEKUSA, Yoshiki OHGO and Tomoji OZEKI: Crystallography in Chemistry;Current Profile of Chemical Crystallography ?Measurements and Analyses?2014年はヘンリー・ブラッグとローレンス・ブラッグ父子により初めて岩塩の結晶構造が決定されてからおよそ百年の節目にあたり,世界結晶年に制定されています.結晶学はこの間に長足の進歩を遂げ,単純な無機結晶から,低分子,複雑な分子,そしてタンパク質結晶へとあらゆる種類の結晶構造解析を通じて,科学の発展に大きく貢献して来ました.日本結晶学会誌では世界結晶年を記念し,各号でミニ特集を企画することとしています.2, 3, 4号の物理,鉱物,生物分野でのミニ特集に続き,第5号では化学分野での結晶学に焦点を当てたミニ特集を企画しました.これまで結晶構造解析により多くの化学的に重要な分子構造や結晶構造が明らかになり,さらに結晶相反応や結晶相分子運動の研究では,静的な結晶学から動的な結晶学への展開から,結晶中の分子の動的挙動まで解析されるようになりました.この発展はその都度,化学に大きなインパクトを与えています.一方これらの成果は結晶解析法,つまり,装置,測定法,解析法の進歩なくしてはあり得ないものでした.つまり,化学分野の結晶学は,測定・解析の発展と結晶化学の発展が表裏一体で進展してきたと言えます.結晶化学の最新の成果は, 2013年第1号にて「結晶学による化学反応の可視化」という特集としてご紹介いたしました.それと対になる本特集では測定法・解析法の側面を取り上げ,化学分野での結晶構造解析は現在どうなっているのかをご紹介し,記録に残したいと思います.これを題して「化学結晶学のいま“現在”を切り取る」と名付けました.本特集では,現在の日本で最先端の大型施設や高度な解析手法を使いこなし,化学分野における結晶学をいま推進していらっしゃる執筆者の方々に,それぞれの立場から結晶測定・解析の現在のご紹介をいただきましいまた.ミニ特集ではありますが,現在ならこんな測定ができる,こんな応用ができる,こんな解析から化学がいまわかるなど,化学結晶学の現在を切り取りました.結晶学会会員をはじめとする多くの研究者にとって,この特集が化学結晶学の分野で新しいサイエンスを展開されるきっかけとなることを願っております.日本結晶学会誌第56巻第5号(2014)295