ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No1

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日本結晶学会誌Vol56No1

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概要

日本結晶学会誌Vol56No1

AsCA’13 Hong Kong参加記見やすい構成と,その中で伝えるべきことを的確に伝えることができるようなポスターに仕上げ,その上でスムーズに議論が交わせるようになれるよう努めます.今回のポスター作成や素晴らしいポスターの数々を拝見することができたのは,それに向けての大きな糧になると確信しています.口頭発表と細野先生の公演を拝聴して上述のように,私の英語力はまだまだ未熟で,口頭発表を十分に理解することは非常に困難を極めました.特に外国人の方々の英語は非常に流暢で,そのほとんどが理解できなかったことは大変残念なことでした.もちろん日本人の先生方の発表も非常に素晴らしく,今回僕が初めて視聴させていたプレゼンは東京大学の内田先生のものでしたが,非常に流暢な英語と自然な質疑応答で大変驚いたことを覚えています.内容は有機科学や無機化学に関するイオン結晶で,さまざまに工夫されていた図表は非常に興味深く拝見させていただきました.また,今回私自身の発表に際しては, X線回折において差フーリエ法を用いて決定した水素原子の座標データを用いたものを発表させていただきましたが,以前より中性子を用いた回折には非常に興味があり,今回のAsCA2013のセッションの1つであるNeutron Diffraction(MS-6)は,以前より非常に楽しみにしておりました.この中でもYuxin ZHANG先生の発表は,研究対象であるTHP-Oや酢酸に関連した結晶構造は私には馴染みのないものであったものの,中性子回折と水素結合といったテーマは自身の研究と通じるものもあり,非常に嬉しく,そしてよい勉強をさせていただきました.東京工業大学の細野先生のお話は,今回のAsCA2013において,私が1番感銘を受けた発表でした.私は現在理学部に在籍しており,今年吉朝研究室に配属され,本格的に結晶学を学び始めました.まだまだ駆け出しの身ではありますが,自分なりの新しい発見があり,また自分の考えの間違いがわかって落ち込むこともありと,本当に研究というものが楽しく思えてなりません.しかしながら,地球環境を科学する,その中で鉱物の結晶構造を学ぶ上で,この研究をどのように活かすことができるか,駆け出しの身で恐縮ではありますが,自分の研究の意義というものについて深く考えることが何度もありました.今回の細野先生のお話では,このような自分の疑問に対して,非常に大きな指針を与えてくれる素晴らしい発表でした.結晶構造の研究から,酸化カルシウムと酸化アルミニウムのセメントの電気の伝導性を発見したという内容は,専門的な知識や常識がまだ乏しい自分でも本当にすごいことに思えますし,さまざまな分野において有効に活用されるであろうことは明らかに思えます.残念ながらアンモニア精製のお話は,時間の関係上聞くことは叶いませんでしたが,後日調べてみると本当にすごい発見で,直に聞くことができなかったことが非常に残念でなりませんでした.私は将来,博士後期課程への進学も自分の将来の道の1つとして考えています.研究を一生の職とするなら,細野先生のような世の中に貢献できるような研究者になりたいと心から思えるような,そのような素晴らしい講演でした.Bauquetに参加してBauquetでは,学会中の張り詰めた緊張から一転し,心休まる一時となりました.幸運なことに,坂田会長をはじめとする,京都大学の羽田先生や東京工業大学の佐々木先生など,偉大な先生方とお話する機会をもつことができました.また,余談ではありますが,こと料理に関して言えば,文句のつけようがないほど美味しかったことを覚えています.私が食べてきた中華料理の中では,間違いなく一番でした.今後より一層研究に邁進し,次回のAsCA2015に参加することが叶えば,最高においしいインド料理を食べることを夢見ています.多少不埒な内容ではありますが,これもモチベーションの1つにして,現在は卒業論文の作成や新たな実験に取り組んでいます.改めて, Bauquetで席をご一緒させていただいた方々や,お話させていただいたすべての先生方,スポンサーであるRIGAKU社の方々に,素晴らしいお話や最高の料理をご馳走していただいたことを,この場を借りて深く御礼申し上げます.講演の様子日本結晶学会誌第56巻第1号(2014)会場の海上レストラン63