ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No1

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日本結晶学会誌Vol56No1

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概要

日本結晶学会誌Vol56No1

AsCA’13 Hong Kong参加記れた.会費改定および企業会員の可否は,他地域連合(ACA,ECM)の例も参考にする必要があり,継続審議となった.AsCAのホームページは, 2006年にSekar博士(インド)の好意により設置されたページを継続して使用している.AsCAの歴史を記録として残す活動や,評議員会の記録保存の機能も担っていく予定で, 2014年中を目処に抜本的な改訂を行うこととした.S. W. Suh会長より,小角・中性子散乱,生物系結晶学,粉末解析,化学結晶学と材料,装置と方法論,電子線,結晶学教育といった,専門部会(AsCA Commissions)の設立が提案された.国際プログラム委員会との重複があるので,まずは1期3年と年限をきり,設立可能な部会から開始してみることになった.また, AsCA諮問委員会の設立が提案され,会長経験者を含む委員が推薦された.さらに, web更新を担当する情報幹事の設置が提案され, A.Vrielink教授(豪州)が担当することとなった.最後に,次期執行部の選考が行われた。次期AsCA会長には慣例により現副会長のP. Chakravarti教授(インド)が推薦され,満場一致で次期AsCA会長(2013~2016)に選ばれた.引き続き,次期副会長の選考が行われ,出席している評議委員による投票の結果, J. Martin教授(豪州)が次期副会長(2013~2016)に選ばれた.次期会計幹事(Secretary/ Treasurer)には, J. J. Vittal教授(シンガポール)が選ばれた.AsCA’13 Hong Kong参加報告書河合(久保田)寿子(大阪大学蛋白質研究所)はじめに2013年12月7日から10日にかけて香港科技大学にて第12回アジア結晶学会が行われました.本学会への参加にあたり,日本結晶学会2013年度国際会議参加助成をいただき研究発表を行いましたので報告致します.1枚のポスターを抱えてまず簡単に自己紹介をさせていただきます.私は博士号を取得するまで植物生化学の分野におり,卒業後にそれまで研究していた膜タンパク質の構造解析を開始しました.それから4年弱,現在の5.1 Aに至るまで何度も分解能の壁にぶつかりました.まだまだ目標分解能には到達しませんが,次の突破口を開くため,知識や経験のある方々とディスカッションをしたい. 1枚のポスターにそんな思いを込めて,出国しました.林立する超高層マンション.そのビル群の谷間,小さく切り取られた空の下でゆるやかな所作を繰り返す人々.朝8時,太極拳だ.丁寧に手のひらで押された空気が,道の反対側の私のほっぺたに,波のように伝わりそうな気配.そんな朝の風を感じながら毎朝会場に出かけました.ポスター発表当日は,顔見知りの人,コーヒーブレイクで初めて話をした人,「膜タンパク質をだって?勇敢な女性だ!」といって興味をもってくれる通りすがりの人などが立ち寄ってくださったので,興味の深さに合わせ誠意をもって説明をしました.最後には必ず「分解能向上のためには何を試したらしたらいいと思いますか?」と尋ねてみました.「僕は膜タンパク質を扱っていないんだよ」「タンパク質は専門外なんだけどね」そんな前置きをしながらも,何かアドバイスをしようと皆さん頭をひねって考えてくれました.装置の開発をしている人は「こんなふうにX線をあてたらどうだ」,化学を専門としている人は「インヒビターなどはないの?」などとそれぞれに親身になってくれ,一緒に困っている様子がなぜか互いに楽しく,笑いが出ることもありました.中でも台湾人のChan先生,韓国人のKim先生はポスターセッションの時間が終わってバスの中でも界面活性剤やクライオ条件などの結晶学的側面のみでなく,こういう変異体を作ったらどうだろうか,などと生物学的な側面からも貴重なご意見を惜しみなくくださいました.ポスター発表では楽しく有意義な時間を過ごすことができて皆さんに感謝するとともに,ここに来てよかったなと安心した気持ちになりました.口頭発表会場の入り口にて,筆者日本結晶学会誌第56巻第1号(2014)口頭発表はStructural Biology, Chemical Crystallography,Physical Techniquesの分野からなり, 3つの会場で並行して行われました. Structural BiologyのMicrosymposiaは6つのトピックスに分かれていました.中でもAndrea55