日本結晶学会誌Vol55No3

日本結晶学会誌Vol55No3 page 19/82

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概要:
日本結晶学会誌Vol55No3

新規リチウムイオン電池負極材料の開発とその結晶学的評価図8Li 2Ti 6O 13の7 Li-MAS-NMRスペクトル.(7 Li-MAS-NMR spectrum of Li 2Ti 6O 13.)*はスピニングサイドバンド.図10 Li 2Ti 6O 13多結晶試料の粉末中性子回折パターンとRietveld解析によるフィッティング結果.(Observed, calculated, and difference pattern forthe Rietveld refinement using the powder neutrondiffraction data of Li 2Ti 6O 13.)表5 Li 2Ti 6O 13の結晶構造パラメータ.(Atomic coordinatesand equivalent isotropic displacement parameters(A 2)for Li 2Ti 6O 13.)図9Li 2Ti 6O 13のFTIRスペクトル.(FTIR spectrum ofAtomLi1Ti1Ti2Ti3O1O2O3O4O5O6O7site4i4i4i4i2a4i4i4i4i4i4ix0.450(1)0.1150(2)0.1677(5)0.2309(3)00.2380(3)0.0727(3)0.2963(3)0.1297(3)0.3549(3)0.1611(3)y1/20000000000z0.246(2)0.096(1)0.435(1)0.7720(9)00.2423(6)0.2899(6)0.5734(6)0.6110(7)0.8885(6)0.9077(4)U eq(A 2)0.026(4)0.006(2)0.006(2)0.006(2)0.005(1)0.005(1)0.005(1)0.005(1)0.005(1)0.005(1)0.005(1)Li 2Ti 6O 13.)の席で説明ができる.そこで, 7 Li-MAS-NMRとFT-IRによる測定を行った.Li 2Ti 6O 13の7 Li-MAS-NMRの結果を図8, FT-IRによる結果を図17に示す.図9の7 Li-MAS-NMRの結果から,Liのピークは1つであることから, Liの席は1種類であり,中性子回折データからの差フーリエ合成の結果と一致する.また図17のFT-IRの結果から,水分子から生じる振動は見られない.よって差フーリエ合成により表れたトンネル内の負の残差はLiによるものであると考えられる.次に,差フーリエ合成により表れたトンネル内の負の残差にLiを占有させてRietveld解析を行った.フィッティング結果を図10に示す.その結果a=15.3065(4)A, b=3.74739(8)A, c=9.1404(2)A, andβ=99.379(2)A,信頼度因子Rwp=5.78%, GOF=1.66と良好な結果が得られた.精密化された結晶構造データを表5,結晶構造,最大エントロピー法による原子核散乱長密度分布を図11に示す.日本結晶学会誌第55巻第3号(2013)図11a),b)Li 2Ti 6O 13の結晶構造. c),d)Li 2Ti 6O 13の原子核散乱長密度分布.(a),b)Crystal structure ofLi 2Ti 6O 13. c),d)Nuclear scattering length densitydistribution of Li 2Ti 6O 13.)灰色は負,白色は正の原子核散乱長密度分布.185